ハザード解説
2021.12.20
【ハザード解説】ロタウイルス
本コラム【ハザード解説】では、食品安全の危害要因について個々に取り上げ、特徴や発生事例等を解説します。
ロタウイルス

特徴
ウイルスであるため、細菌とは異なる特徴を持つことに留意する。
ロタウイルスによって引き起こされる急性胃腸炎は、乳幼児期にかかりやすい感染症であり、ほとんどの子どもが 5歳までにロタウイルスに感染するといわれている。経口感染し、嘔吐、下痢、発熱、腹痛、脱水症状を呈する。50℃ 30分以上の加熱が不活性化に有効である。
ロタウイルスによって引き起こされる急性胃腸炎は、乳幼児期にかかりやすい感染症であり、ほとんどの子どもが 5歳までにロタウイルスに感染するといわれている。経口感染し、嘔吐、下痢、発熱、腹痛、脱水症状を呈する。50℃ 30分以上の加熱が不活性化に有効である。
原因食品
加熱工程のない食品、加熱後手作業で仕上げる食品など。
管理のポイント
食品の十分な加熱、手洗いの徹底。

発生事例
・2006年 日本
2006年3月16日、新潟県内でちらし寿司の出前をとったグループ 66名中 30名が下痢、発熱、腹痛などの症状を訴え、うち 11名が医師の治療を受け、患者 6名の検便の結果、A群ロタウイルスが検出された。流行曲線が一峰性を示したことから食中毒が疑われ、患者グループの共通行動がちらし寿司以外に見当たらなかった。
また、寿司店の調理従事者の便から A群ロタウイルスが検出されたが、調理した当時は健康状態に異常はなく、3月21日に下痢を発症したことから、従事者がウイルスを保有していたか、共通の感染源が飲食店にあり、従事者を介して食品汚染が発生したのではないかと考えられる。しかし、本件ではウイルスの汚染源を確定することはできていない。
また、寿司店の調理従事者の便から A群ロタウイルスが検出されたが、調理した当時は健康状態に異常はなく、3月21日に下痢を発症したことから、従事者がウイルスを保有していたか、共通の感染源が飲食店にあり、従事者を介して食品汚染が発生したのではないかと考えられる。しかし、本件ではウイルスの汚染源を確定することはできていない。
参考文献
・『新スタンダード栄養・食物シリーズ8 食品衛生学第2版』 一色賢司編 東京化学同人
・『ロタウイルス』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou03/rota_index.html
・『Pathogen Safety Data Sheets: Infectious Substances – Human rotavirus』Public Health Agency of Canada, 2010
https://www.canada.ca/en/public-health/services/laboratory-biosafety-biosecurity/pathogen-safety-data-sheets-risk-assessment/human-rotavirus.html
・『成人グループに発生したA群ロタウイルスによる食中毒-新潟県(IASR Vol. 27 p. 156-156: 2006年6月号』 国立感染症研究所
https://idsc.niid.go.jp/iasr/27/316/pr3161.html
・『ロタウイルス』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou03/rota_index.html
・『Pathogen Safety Data Sheets: Infectious Substances – Human rotavirus』Public Health Agency of Canada, 2010
https://www.canada.ca/en/public-health/services/laboratory-biosafety-biosecurity/pathogen-safety-data-sheets-risk-assessment/human-rotavirus.html
・『成人グループに発生したA群ロタウイルスによる食中毒-新潟県(IASR Vol. 27 p. 156-156: 2006年6月号』 国立感染症研究所
https://idsc.niid.go.jp/iasr/27/316/pr3161.html
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