【ハザード解説】リステリア・モノサイトゲネス

本コラム【ハザード解説】では、食品安全の危害要因について個々に取り上げ、特徴や発生事例等を解説します。

リステリア・モノサイトゲネス (Listeria monocytogenes)

リステリア・モノサイトゲネスの3D画像

特徴

自然界に広く存在する通性嫌気性菌。他の細菌に比べて塩、酸に強く、低温でも増殖可能である。増殖可能な温度域は -0.4℃ ~ 45℃ で、10% 食塩水の中でも増殖し、30% 食塩水にも耐えることができる。また、水分活性 0.92 以上で増殖する。低温で保存していても、十分な時間が与えられれば発症菌量まで増殖する可能性がある。

健康な大人の場合は無症状のまま経過することが多いが、妊婦から胎児に垂直感染した場合や、新生児、乳幼児、高齢者などでは重症化することがあり、最悪の場合、死に至る。

原因食品

乳製品、RTE食品(ready-to-eat食品:加熱しないでそのまま食べる食品)など。
ボツリヌス症の原因となるハム・ソーセージ、缶詰食品、ハチミツの画像

管理のポイント

保管温度の管理及び保管期間の設定、十分な加熱 ※

※ HACCPナビユーザーの方は、ハザードDBで「リステリア」を検索すると、不活性化に必要な加熱温度と加熱時間の詳細(FDA Fish and Fishery Products Hazards and Controls Guidance の和訳)をご覧いただくことができます。

発生事例

・2020年 ~ 2021年 アメリカ

2020年10月20日から2021年3月17日にわたり、アメリカで、El Abuelito Cheese 社製のケソフレスコ(生ソフトチーズ)を原因とするリステリア・モノサイトゲネス感染症が発生した。
感染者は計13人で、4州(メリーランド州、ニューヨーク州、バージニア州、コネチカット州)から報告された。うち12人が入院し、1人は死亡が報告された。また、4人が妊娠中に発症し、2人が妊娠損失、1人が早産となった。

El Abuelito Cheese 社は、コネチカット州当局による調査により、当該チーズの喫食が集団感染の原因である可能性が高いと示された2月19日にすべてのケソフレスコ製品をリコールし、また、すべての製品の製造及び流通を停止した。さらに、2月27日、汚染されたケソフレスコと同じ施設で製造あるいは梱包されたすべてのケシージョ(quesillo:乳製品の一種) およびレケソン(requeson)チーズにリコールを拡大した。

参考文献

・『新スタンダード栄養・食物シリーズ8 食品衛生学第2版』 一色賢司編 東京化学同人
・FDA Fish and Fishery Products Hazards and Controls Guidance
・『食品中のリステリア・モノサイトゲネス』, 食品安全委員会微生物・ウイルス専門調査会(2013年4月)
https://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20120116331
・『米国疾病管理予防センター(CDC)、El Abuelito Cheese 社製のケソフレスコ (生ソフトチーズ) に関連した複数州にわたるリステリア集団感染に関する情報を最終更新』, 内閣府食品安全委員会(2021)
http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu05610290104 (2021/8/5)

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