コラム

2020.01.16

【HACCP解説】第一回 HACCPチームのメンバーは、どんな構成がよいか?

はじめに


このコラムでは、これから数回にわたり、HACCPを進めるうえでのポイントについて解説していきます。
第一回は『HACCPチームのメンバーについて』です。
HACCPは、HACCPチームを編成するところから始まりますが、どのようなメンバーを選定すればよいのでしょうか?  

HACCPチームのメンバーはどの部署から?


JFS  B規格HACCP 『手順 1 HACCPチームの編成』では、「一定の力量を持つ要員によりHACCPチームを編成しなければならない。」と要求されています。
「一定の力量を持つ」ということをどのように考えたらよいでしょう?

一般には、HACCPチームをまとめるチームリーダーは、経営者や品質管理/品質保証の責任者が担当するのが妥当でしょう。
では、その他のメンバーはどのように選定するのが良いのでしょう?
メンバーは、チームリーダーが様々な候補者の力量を考慮して選定することが望ましいのですが、単純に品質部署と製造部署からのみ選べば良いのでしょうか?
もちろん品質部署や製造部署の人員は必要です。しかし、HACCPを有効に機能させるためには、HACCPの肝となる危害要因分析において、幅の広い観点から危害を考えてもらえるよう、他部署のメンバーも含めて検討する必要があります。  

過去の経験も重要な危害要因分析


危害要因分析では、原材料から製造、加工、保管、出荷に至る全工程において、発生する可能性のある危害要因を挙げていきます。
この時、HACCPの教科書に挙げられている一般的なものだけでなく、同業の事故事例や経験などから想定される、過去の経験を活かした危害要因も列挙することが重要です。過去の経験に基づいた危害要因は、自社にとってより発生可能性の高いものと考えられるからです。
経験のあるメンバーであれば、過去のヒヤリハットや事故等についてより多くの知識を持っているでしょう。
「この機器はメインテナンスを疎かにして過去にパッキンの異物混入があった」とか「このサプライヤーが扱っている原料で残留農薬が検出されたことがある」といった経験です。
これらの具体的な経験に基づいた危害は、品質部門と製造部門だけでは網羅的に想定するのが難しい場合があります。

幅広い部門を巻き込んで、過去の経験を反映しよう


このような過去の経験を広くHACCPプランに取り込むためには、施設・機器のメインテナンスを担当する工務部門、原材料・資材及び取引先の特性を深く理解して購入を担当する購買部門、ヒューマンエラー等に係る経験を有する労務管理・人事総務部門などからもHACCPチームにメンバーとして加えることが有効です。
そうすることで、より幅広い過去の経験や知識を活かし、実効性の高いHACCPプランができるのです。危害要因分析がしっかり出来ていれば、それだけ事故を未然に防ぐことが出来るようになります。

HACCP_チーム編成のポイント

小規模組織でのチーム編成は


ところで、小規模組織の場合はどうすれば良いでしょうか?
小規模組織の場合、そもそも製造や品質以外の部署が無いこともあります。そのような場合は、製造や品質部門の担当者でチームを編成しても良いでしょう。
しかし、危害要因分析を実施する際には、製造や品質の目線だけでなく、工務や購買や総務の目線を持つよう心掛けることにより、より多くの危害要因が挙げられ、実際に役立つHACCPプランとなります。
必ずしも多くの人をメンバーとする必要はなく、例えば、複数の業務を経験した人にメンバーに入ってもらうことも考えられます。

HACCPプランの成否はメンバー選定から


HACCPチームの選定は、7原則12手順の『手順1』、実際にHACCPに取り組む際に最初に行うことですが、このチームメンバー選定から、既により良いHACCPプランが作成できるかどうかの成否が始まっているのです。